ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

編集長・記者 宮崎信行 政治ジャーナリスト(元日本経済新聞記者)

署名できないような人が連帯保証の公正証書を取られかねない抜け道法案が解散で廃案へ 恥を知れ、自民党


 今国会での廃案7割以上間違いない状況になっている「国家戦略特区法改正案」(187閣法31号)に、来年の通常国会に提出される、民法債権編抜本改正法案(189閣法○○号)への蟻の一穴となりかねないとんでもない規制緩和が紛れ込んでいたのが、筆者(宮崎信行)の法案精査で分かりました。

 衆議院地方創生に関する特別委員会で審議中の法案委は、13項目の規制緩和特区メニューが盛り込まれていますが、この改正第12条の2に、公証人が公証役場外で、会社設立の定款の認証ができる特区が盛り込まれていました。

 なにが問題かというと、民法債権編抜本改正法案の執筆の基となる、法制審議会のとりまとめには、

 融資を受ける際の、連帯保証や、(代表取締役などの法人に対する)個人保証について、

 「貸金等債務を主たる債務とする保証契約または(略)根保証契約は、その契約の締結に先立ち、(略)公正証書で保証人になろうとする者が保証債務を履行する意思を表示していなければ、その効力を生じない」とあります。

 わざわざ手順まで定めていて、

 まず、「
次に掲げる保証契約を締結し、保証人になろうとする者が、それぞれ次に定める事項を公証人に口授すること」と明示。

 「
主たる債務の債権者及び債務者、主たる債務の範囲、保証契約における極度額、元本確定期日の有無及びその内容並びに当該主たる債務者がその債務を履行しないときには、極度額の限度で元本確定期日」「元本及び主たる債務に関する利息、違約金、損害賠償その他その債務に従たる全てのものの全額について履行する意思」

 こういった内容を、公正証書にします。

 その手順として、

(1)
公証人が、保証人になろうとする者の口述を筆記し、これを保証人になろうとする者に読み聞かせ、又は閲覧させること。

(2)
保証人になろうとする者が、筆記の正確なことを承認した後、署名し、印を押すこと。ただし、保証人になろうとする者が署名することができない場合は、公証人がその事由を付記して、署名に代えることができる。

 ですから、最悪の場合は、「署名することができない」人が、融資の連帯保証人である、という公正証書。それを、銀行内に設けたワンストップセンターでつくれるということが、法律をどこかわずかに改正したり、特区申請することで可能になるということでしょう。

 こんなのは、ヴェニスの商人未満の恥知らずです。

 だれが、こんなものを潜り込ませたのか。

 銀行業関係者、法務省民事局、鎌田早大総長、公証人らは末代までの恥です。我々有産階級者なら切腹です。高偏差値中産階級者のなれの果て。

 署名すらできない人が連帯保証の公正証書をとろうとする、安倍自民党政権を断じて許してはなりません。

 第47回衆院選での鉄槌が必要です。

 なお、国会は、参議院地方創生特別委員会が地方創生2法案の審議が解散直前までかかる見込みで、仮に内閣委員会に付託するにしても、テロリスト資産凍結法案の審査があることから、この法律案の今国会での審議未了廃案は7割以上間違いない情勢ですが、自民党がこの法律案を平成26年10月31日に閣議決定したという事実は消えません。