ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

編集長・記者 宮崎信行 政治ジャーナリスト(元日本経済新聞記者)

【岡田克也】細田博之議長の区割り案「前回の協議と違うし、1人別枠方式は最高裁憲法違反だ」2020年国勢調査による新区割りは「東京30区」で「山口4区廃止」


[写真]小選挙区比例代表並立制移行後、三重2区で立候補している中川正春さんと、三重3区の岡田克也さん、おととし2019年6月13日、宮崎信行撮影。

 岡田克也さんはきのう令和3年2021年12月28日(火)、ユーチューブ動画をあげて「細田博之議長の定数是正案は極めて不見識で、アダムズ方式ではなく、1人別枠方式を採用するのは、最高裁判決に違反するので、直ちに撤回すべきだ」と強くけん制しました。

 先々月の第49回衆院選では、島根1区で細田博之さん、三重3区で岡田さんが連続11回当選。細田さんは衆議院議長となり、清和研会長は安倍晋三さんに譲りました。両者は、2009年政権交代時の自民党民主党の幹事長という浅からぬ仲。

細田さんと岡田さんが最も在職年数が長い官僚出身議員に

 ところで、先の衆院選は、野田毅さんの落選、伊吹文明さんの引退があり、岡田さんと細田さんが、最も在職年数が長い31年の「霞が関出身議員」となりました。2人とも東大法学部→通商産業省。それ以下も落選が相次ぎ、28年の石井啓一公明党幹事長(工学部から建設省技官)、25年の棚橋泰文さん(通商産業省)、平沢勝栄さん(警察庁)がトップ5となったようです。岡田さんと長く近しくして、官僚出身だから得をするということは全くないように感じます。


[写真]細田博之衆議院議長、きょねん2020年9月2日、衆議院第一議員会館で、宮崎信行撮影。

[写真]中川正春さんと岡田克也さん、おととし2019年6月13日、衆議院第16控室で、宮崎信行撮影。

●区割り審答申は来年6月

 2020年国勢調査はコロナ禍で遅れましたが、確定値がこのほど出ました。衆議院選挙区画定審議会は9月から立ち上がっています。来年6月に区割り改定を答申する見通し。その後に公職選挙法改正案が作成され、国会で審議されます。

●前回の実務者も細田・岡田で「1人別枠方式違憲で三重5区」廃止

 「選挙博士」と党内での異名を持つ細田さんと、「羽田孜チルドレン」とかつては呼ばれた岡田さんは選挙制度改革の申し子という位置づけが両党内でされています。幹事長卒業後の、2011年最高裁の「1人別枠方式名指しで違憲判決」を受けた選挙制度改革でも実務者として、維新の園田博之さんらと「熱病のような政治改革」(星浩さん)を再現し、その後、園田さんは亡くなりました。そうはいっても、アダムズ方式の採用により、鳥取や島根の1・2区は維持され、三重5区は廃止されたことで、岡田さんは忸怩たる思いもあったようです。堅物とされますが、岡田というのはそういう男です。

●新区割りは「東京30区」

 官僚出身は法律通りに真面目というイメージが2021年の日本国民にどれだけ残っているかは把握しきれませんが、細田議長がぶれてしまいました。国調の結果を法律通り落とし込むと、「東京30区」が誕生し、安倍会長の「山口4区」が廃止されます。細田議長は安倍会長の選挙区が消えることが頭の片隅にあるものと思われます。

 長年当ニュースサイトを運営していて、毎日ページビュー解析をフィードバックしながら記事を書いていますが、自分の思いがPVにつながらない最たる分野が「定数是正」です。野田佳彦総理が思いをぶつけて解散に踏み切った2012年も、「弁護士」と名乗る人物から「あなたの記事に感心しました」との上から目線のコメントが解散した後の半日経ってから来て、弁護士は「自分は頭が良いと思っているけれども何か事が起きてから初めて動く川下(かわしも)産業」であることを学びました。

●政治改革部会長は篠原孝さん

 今回は、立憲民主党の政治改革部会長は、長野1区(比例北陸信越)の篠原孝衆議院議員ですので、誰が実務者になるかは、泉健太代表はまだ決めていないと思われます。部会長代理は小西洋之参議院議員

 「山口4区廃止」ということで、林芳正宏池会副会長と安倍晋三・清和研会長のコップの中の争いを横目に見ながらの難しい調整が予想されます。ここに、日本維新の会が「定数削減」という似た名前でまったく別次元の話を突っ込んできて、令和4年の衆議院議員立法が大混乱することもありそうです。

 岡田さんは泉代表がこの件でコメントしないことについて、周囲に不満を漏らしており、仕事納め日の発信となったようです。

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