ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

編集長・記者 宮崎信行 政治ジャーナリスト(元日本経済新聞記者)

違憲確定、国会が必ず立法措置へ、性同一性障害者の性別特例法(平成15年)の手術要件は憲法13条違反


性同一性障害者性別特例法は違憲で、国会対応へ

 性別の変更は、性器の外観や生殖能力の手術が必要だとする「性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律」(平成15年法律111号)は憲法13条など幸福追求の権利に違反するなどして認められない。さきほど水曜3時(2023年10月25日)に最高裁大法廷が決定を出し、確定しました。

 同法は、その第3条で「家庭裁判所は、次の各号のいずれにも該当するものについて、性別の取扱いの変更の審判をすることができる」としています。必要及び十分条件として「生殖腺がないこと又は生殖腺の機能を永続的に欠く状態」「身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えている」とし、「請求をするには、診断の結果並びに治療の経過及び結果その他の厚生労働省令で定める事項が記載された医師の診断書を提出しなければならない」と明記しています。

 そのため、手術をしなければ、戸籍法などの性別を変更できません。

 来年の通常国会で、必ず法改正が必要な事態となりました。

【追記 20:40】「外観要件」(身体について他の性別に係る身体の性器に係る部分に近似する外観を備えている)は東京高裁に差し戻しとなり、違憲・合憲の判断は持ち越されました。【追記終わり】

●全く別の話だが、生殖補助医療で夫死亡後に妻が第三者精子で妊娠・出産

 これとは全く別な話で、生殖補助医療を受けていた夫妻で、第三者精子を提供されていた妻が、夫が死亡したことを医師に告げずに治療を継続し、妊娠・出産したことが今週報じられました。現行民法などで、見知らぬ男性が、子の認知・扶養を請求される可能性があります。当面は民事・家事で対応できそうですが、民法の隙間が生じました。

●離婚後の共同親権を本則とする改正案が通常国会提出へ向け準備

 さらに、法務省法制審議会は、「共同親権を本則として、単独親権を例外とする」民法改正案を、次の第213回通常国会提出をめざして準備しています。

●LGBTQ理解増進法で、自民岩盤保守崩れる

 さきの通常国会では「LGBTQ理解増進法」をめぐり、自民党の故安倍晋三首相を支持した「岩盤保守層」が安倍チルドレンの稲田朋美幹事長代理や岸田文雄総裁に不満を持ち、一部ジャーナリストらが「日本保守党」を結党しています。

 このため、性自認、生殖医療、離婚後の親権といった人間の尊厳と両性の本質的平等にかかわる政治課題が同時に、国会に突き上げられる状況となりました。

 以上です。