ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

編集長・記者 宮崎信行 政治ジャーナリスト(元日本経済新聞記者)

【今後提出される法案】「競馬法」附則の時限措置の延長法案を「森山・坂本体制」で前倒しの構想

 農林水産省は、3年前に改正した「競馬法」の附則に「平成十七事業年度から令和九事業年度まで」「協会が行う競馬活性化業務に必要な経費の財源に充てる」とした規定の延長を、森山裕坂本哲志両元農相が力を持っているうちに改正するために、第219回臨時国会に前倒す準備を始めたことが分かりました。

 先々月の第27回参議院議員通常選挙では、現職の宮崎雅夫さんが「土地改良区・水土里ネット」の推薦で「目安」とされる12万票を超えながらも、裏金をめぐる自民党への逆風で落選しました。土地改良は二階派の利権ですが、競馬監督課が橋本行革後に初めて「畜産部」から「畜産局」に再昇格したのは森山さんの力が強く、中央競馬の売上を土地改良・構造改善事業にも「流用」できるようにする改正をめざしているようです。

 3年前の競馬法改正では、地方競馬の各地、各種の従事者の声を立憲民主党が拾い上げるかっこうとなり、政府と立憲の審議前の駆け引きが活発化しました。中央競馬をめぐっては投票する側が3着までしか配当金を得られないのに、馬主は18位でも配当金を得られる究極の格差となっているため、中央競馬地方競馬の全体の議論につながることもありそうです。

 以上です。

[写真]JRA日本中央競馬会の「中山競馬場」(千葉県船橋市)、11年前の2014年、宮崎信行撮影。